デューン/砂の惑星 1984年公開

デューン/砂の惑星
1984年公開アメリカの映画 137分。製作費120億の超大作
フランク・ハーバートの原作はヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞しており六部作からなっています。
「デューン/砂の惑星」は第一部の部分です。

デイヴィッド・リンチ監督は「ジェダイの帰還」の監督オファーを断って「デューン/砂の惑星」を
完成させますがあらすじを追っただけの様な映画になっていると酷評されて興行的にも失敗。
原作者にも不評と散々な結果。現在ではカルト的な古典作品となっています。
大体、こんな壮大過ぎる原作を2時間で納めること自体無理。編集で相当カットされればダイジェスト版的
な映画にもなりますよね。
2000年の3部構成のテレビシリーズとして放映されたものは高評価だったとの事なのである程度の
時間的な長さは必要。2021年公開の映画も前後半の2部作なので前半だけです。

ストーリー
時代は10191年。宇宙は大王皇帝、領主会議、ギルドの三つの勢力で均衡を保っていました。
コンピューターや核兵器などの先端技術の使用は禁じられております。
最も貴重な物はメランジというアラキスでしか採取出来ないスパイスです。
この惑星アラキスが砂の惑星(デューン)です。
生命の水やメランジを生成する全長数百メートルの砂虫がサンドワームです。
アラキスの原住民である眼の青いフレメンはいつか救世主が現れ真の自由をもたらす事を待っています。
皇帝はハルコンネン家と結託してアトレイデス家をアラキスにて罠にはめます。
アドレイデス家のレト公爵は殺されますが生き延びた息子ポール(カイル・マクラクラン)がこの映画の主人公です。
ポールの母ジェシカは超能力をもつ女子修道会ベネ・ゲセリットの一員で魔女とも呼ばれています。
修道会からは女子しか産むなと命令されてたのにレト公爵の為に男子のポールを産みます。
このポールが数年後にフレメン達の真の救世主になっていきます。
ベネ・ゲセリットは特異な声(繰り声)で人を操れるのですがポールが母に触れようとした敵に初めて
繰り声を使い成功します。母は思わず(Excellent)と言いますがポールも優秀なベネ・ゲセリットなのです。
ポールはフレーメンの美しい娘、チャニ(ショーン・ヤング)と結ばれます。チャニはポールが以前から見ていた夢に出ていた女性だったのです。
ポールはフレーメン名のムアドディブを名乗るようになります。
母ジェシカは、教母となるべく儀式で早産となりその娘アリアはとてつもない超能力を授かっていました。
数年後、帝国に対する大規模な反乱を起こし成功に導き皇帝を退位させます。

以前見た時も今又、見直しても私はそこまで悪くないと思う。当時としては頑張ってたのではないかと。
ただ監督のデイヴィッド・リンチが変態的趣味があるのでそこは嫌いな人がいると思います。
ハルコネン男爵が気持ち悪い・・・がカイル・マクラクランやショーン・ヤングが若く美しいので
良しとします。
皆の好きなパトリック・スチュワートも出てるし、スティングもオーラが弾けてます。
これは一度見ただけでは多分「何のこっちゃ」系映画です。難しい用語も多いし。

映画ではカットされましたがポールはその後、シャッダム4世に代わって帝位につくために娘の
イルーランと形式的に結婚します。
映画の冒頭に美しい女性が解説を始めたので何故この人がナレーターなのかしらと
思いましたが彼女は皇帝シャッダム四世の娘イルーランでムアドディブの伝記の執筆者と
なるのです。小説でも冒頭に「ムアッディブを知る」としてナレーターしてます。

最初の方に出て来るギルドナビゲーターが気色悪いですがハルコネン男爵には負けてますね。男爵が空を
飛び始めた時は何かショーでも始めるのか？と思いましたが極度の肥満体なので反重力装置の補助が
なければ動くことも出来ないんですよ。マジですか。最後にポールの妹のアリアがハルコネン男爵の
装置の栓をブシュッと抜いて男爵はサンドワームの口の中に取り込まれるシーンはスッキリしましたね。
アリア、偉いぞ！彼女はアリシア・ウィットという女優で今は40代ですが映画やドラマに出演を続けて
おります。

「スターウォーズ」系のSF映画とは一線を画すのでワクワクする楽しい映画ではありません。
映像もずっと暗い。しかしこういうSF映画があっても良いと思います。
さて2021年度版はどうでしょうか！

↓早川書房からは4巻物で出版されています